四つの言語を国語とするスイスの文化
見逃したくないトレンドとグルメ
ワイン  担当  麓 絵里  ジュネーヴ発 

スイス・ロマンド(スイス仏語圏)のワイン

 スイスのワインを知る人は少ない。生産量が少なくほとんど輸出されていないからだ。何事にも「有名」を嫌うお国柄なので、自分たちのワインを外に出して、大量生産から品質が落ちるのを恐れているのかも知れない。スイスの有名な三ツ星レストラン、「ジラルデ」(今は名前を変えて「レストラン・オテル・ド・ビル」)が、多くの地元ワインをリストに載せていることからも、その品質の良さがうかがえる。
 ムスカは食前酒にぴったりである。口元にグラスを近づけただけで、芳醇な香りが漂い、収穫の迫ったブドウ畑を彷彿とさせる。それだけでも食欲が湧こうというものだ。口に入って爽やか、嫌みのない甘さが胃にしみわたる頃には、これから出される料理への期待で胸はわくわくしている。


 土地の名物料理を堪能するためには地酒を選ぶ。これはスイスでも同じこと。スイス料理の相方はやはりスイス・ワインである。フォンデュやラクレットは単純な料理だが、使うチーズによって驚くほど味が異なる。使われたチーズに合わせて白ワインを選ぶようにすると、料理の味が一層引き立って、作り方は簡単でも実は奥の深いこれらの料理を存分に堪能できるというものである。きりっとした口当たりながら、フルーティーな味わいがほのかに後口に残るフォンダン・シャルドネ・シャスラなどがチーズ料理に良く合う。
 肉料理にはやはり赤を選ぶべきだろう。癖のない料理なら、ピノ・ノワールやドールなどの繊細な赤ワインが合う。一方鹿やキジなどの狩猟料理を味わうときは、それに負けないような自己主張の強いシラやコルナランを合わせて強烈な個性のせめぎ合いを楽しむ。オーク樽に寝かせて木の香りを移した、フュ・ド・シェーン(Fut de chene)のワインも香りや味の強い料理に良く合う。
 主菜の後のチーズにはたいていの人が赤ワインを選ぶが、山羊や羊のチーズに白ワインを合わせるのも結構乙なもの。お昼時なら簡単なサラダとこれらのチーズに、少しフルーティーなワインを添えると、重たくなりがちなチーズもすっきり爽やか胃に収まって、後味良く身体も軽い。


<ワイン倉での試飲・即売>
 好みに合ったワインを見つけるには、もちろん試飲するのが一番良い方法である。家内生産が多いスイスのワイン醸造家宅では、自宅の横のワイン倉、あるいは訪問客用に造った洒落たバーで自慢のワインを試飲させてくれる。気の利いた処なら、手作りのパンや地元のチーズをつまみに出してくれることも。ワイン倉での試飲に関しては、各地の観光局・ワイン醸造家協会に問い合わせると良い。ワインに関する専用のリーフレットを発行している観光局も多い。

<ワインリンク集>
バレイ州

観光局 http://www.matterhornregion.ch または http://www.siontourism.ch(仏語圏)
ジュネーヴ州
ジュネーヴ・ワイン醸造家協会
 http://www.opage.ch
観光局 http://www.geneva-tourism.ch
ヌシャテル州
観光局
http://www.ne.ch/tourism
ボー州
観光局
http://www.region-du-leman.ch
ボー・ワイン協会 http://www.vins-vaudois.com または http://www.ovv.ch