四つの言語を国語とするスイスの文化
フランス語レッスン 担当 麓 絵里
ジュネーヴ発 ![]()
出会い頭の挨拶
スイスとフランスの仏語は、両国の各地に存在するアクセントの違いを除けばほとんど同じ言葉である。一番大きな違いと言えば「話す速度」かも知れない。スイスはフランス人に比べてゆっくり話すとよく言われる。なればフランス語学びたい人たちにとっては、スイス仏語圏は絶好の場所かも知れない。
以下、スイス暮らしで身につけたフランス語奮闘記ならぬフランス語講座である。
少々面白みにかけますが、スタンダードに挨拶から始めましょう。最も頻繁に使う表現は、もちろんBonjour(ボンジュール)です。が、これがすでに日本人にはとても難しい。日本語にはない音([j]・[ou]・[r])が3つもあります。でも、幸いあまりにも頻繁に使われているので、どんな風に発音しようと、言ってしまえば言わんとすることは分かってもらえます。大事なことは相手の顔を見ながら大きな声で言うことです。相手に聞こえなければいくら見事に発音しようと何も伝わりません。話すことに不慣れな私たち、ましてや不自由な外国語となると、声が小さくなりがちですが、何によらず主張して「いくら」の西欧社会では、奥ゆかしさはあまり評価されません。相手を見据えて脅かすくらいの気持ちで元気良くBonjour!
と言えば、あなたの存在感も一層強くなり、その後の肝心な話や、身振り手振りの会話にも注意を傾けてくれようというものです。
Bonjour(ボンジュール)は、日中の挨拶の言葉ですが、非常に頻繁に使われます。スーパーマーケットで支払いを済ます際、駅や郵便局の窓口で、カフェやレストランに入った時にまずお店の人に、とにかく誰かと目があったらとりあえずBonjourというのがこちらの習慣です。午後6時をすぎると、このBonjour
がBonsoir (ボンソワール)に変わります。夏場、午後10時頃まで日が落ちない時期は、大体午後8時頃からが変わり目でしょうか。
若者から中年まで、親しい友人同士の間で交わされる挨拶にはSalut(サリュ)、
Ciao(チャオ)Adieu(アデュ)などがあります。どの挨拶も時間帯に関係なく、会った時と別れ際の両方に使えます。
発音の難しい言葉より、もしかしたら私たち日本人にとってもっと難しいのは、握手や頬へのキスなどの、身体で表現する挨拶かも知れません。若者や友人の間では、男性同士は握手、女性同士・男女の場合は頬への接吻が原則ですが、各人の習慣や挨拶する人同士の親しさによって変わります。最初の内は、頬へのキスもあり得ると心を決めて、相手の出方を見るのが賢明です。握手なら相手の顔を見ながら、少し力を込めてギュッと相手の手を握る。気を遣って優しくフニャッと握るのは評判が良くありません。キスなら頬と頬が合ったときに「チュッ」と言う音を口をすぼめて出すことを忘れないように(普段から練習しておくと良いですね)。この「チュッ」の演出になれていない人同士がキスしている様子は、何とも間が抜けた印象を与えますから要注意です。
たかが挨拶。されど挨拶。結構大変です。大切なことは、相手の目を見ること、笑顔などで「コミュニケーションを取りたい」というこちらの意志をわかりやすく相手に見せることです。
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