700年の伝統ある民主主義に根ざすスイスの政治
担当 佐藤 夕美  チューリヒ発 

2002年11月の出来事

4日
労働者の大型ストライキ
建築業界の労働者と引退した元労働者のおよそ4500人が65歳の定年を60歳に引き下げることを要求してゼネストを行った。このような規模のストライキは55年ぶり。普段は労働者と会社の話し合いで雇用契約の更新が行われるが、今回は双方が歩み寄れなかったため。

6日
スイスライフ社のスキャンダルで急進党党首辞任
大手生命保険会社のスイスライフが、経営陣に限って利益を享受できる企業を別途設立し、総額700万スイスフランの利益をあげていた問題で、経営陣の1人である急新党の党首・ゲロルド・ビューラー氏が、党首を辞任した。昨年4月から党首となったばかり。国会議員選挙を来年に控え、急浸透は今後の党の立て直しを迫られている。次期党首として、ハンス・ルドルフ・メルツ氏有力とされている。

12日
個人株主が激減
チューリヒ大学のスイス銀行基金が2000人を対象にした調査によると、2000年には、対象になった人の24.3%が株を所有していることが分かった。前回の調査があった1998年前は32%だった。特に所得の低い層の株離れが目立っており、月給が4500スイスフラン以下の層は前回の15.5%から8.1%に減った。一方1万スイスフランから1万5000スイスフランの層は、前回と変わらず2人に1人が株を所有している。減少の理由として、株投資は平均で10%の損益が出ていることが挙げられた。

13日
愛知万博にスイス参加
2005年に開催が予定されている愛知万博にスイスが参加する意向で、スイス政府は、1500万スイスフランの予算の承認を議会に求めた。審議は来年初頭もしくは夏になる見込み。スイス館のテーマは「自然の知恵」で、スイスの山を扱う予定。

14日
クレディ・スイス第3四半期業績発表
クレディ・スイスの第3四半期の損失は21億スイスフランに上ることが明らかになった。子会社のウィンタートゥール保険の有価証券投資部門の損益が7月から9月の3ヶ月だけで14億スイスフランになったことや、クレディ・スイス・ファースト・ボストンの営業損益が4億2600万スイスフランだったことが上げられた。一方、プライベートバンキング、資金運用部門は3億300万スイスフランの利益をあげた。

22日
エブナー氏、インサイダー取引で起訴される
スイス金融界の大物といわれたエブナー氏が、9月1日にチューリヒ州当局によりインサイダー取引の疑いで起訴されていたことが判明した。98年のピレリ(SIP)株の取引で、買戻しを前提として市場価格以上の株価で同株を売却し、市場価格で買い戻したという。実際にはエブナー氏は利益を上げることができなかったが、損失を出すことで処罰を逃れようとしたのだと当局は見ている。

24日
国民投票行われる

難民の権利乱用規制を要求するイニシアチブと失業保険法改訂案の是非が問われた。難民を実質的に門前払いすることを要求したイニシアチブは州数では過半数を超えたが投票数で49.9%と僅差で否決された。失業保険改訂案は失業者の増加に伴い失業保険の引き上げの緊急措置が97年に施されたが、緊急措置の期限は2003年末であるため、今回失業保険の改訂案が政府から提出された。内容は保険の赤字対策と高額所得者の負担軽減。労働組合などが反対し随意のレファレンダムとなったが、56.1%の支持を得て政府案が可決された。

25日
スイス郵便は合理化を再検討
スイス郵便が10月下旬に発表した、2008年までに現在18カ所ある仕分けセンターをすべて閉鎖し最新技術を装備したセンターを3カ所創設するという合理化計画は、大幅な人員削減を伴うことから労働組合から反対があった。これを受けスイス郵便は、センターの下に、サブセンターを設立することを検討していることを明らかにした。

保険業界の保険料収入は増加
連邦民間保険監視委員会の発表によると2001年の総保険料収入は前年より7.3%増加し、508億スイスフランだった。増加の伸びが大きかったのは個人の生命保険で、9.5%増だった。保険の支払いは総額で228億スイスフランで、前年より11.8%増加。健康保険の保険の支払いの割合が78.3%と最も多く、次は自動車保険の68.5%だった。

26日

政府が国民投票、数えなおしを要求

難民の権利乱用を制限するイニシアチブは3422票差で否決されたが、一部の州で秤など機械を使った自治体があることから、連邦行政局は数え直すよう命じた。秤などで投票用紙を数えるには許可が必要だが、ベルン州で4万票が許可なしに秤にかけられたという。

27日
クレディ・スイスに最高額の罰金
クレディ・スイスは、ナイジェリアのアバチャ元首相およびその家族の資金を充分な調査なしに受け付けたとされ、スイス銀行協会の監視委員会から75万スイスフランの罰金を支払うよう命じられた。CS以外にも「アバチャ資金」を受け入れた銀行が5行あるとされるが、これらの銀行が罰せられたかは不明。罰金は国際赤十字に支払われることになっている



最近のニュース 

  • 12月

リンク

  • スイス国営放送局が伝える「Swissinofo 
    http://www.swissinfo.ch 英語・ドイツ語・フランス語・日本語など

  • ドイツ語圏 お堅い日刊紙「ノイイエ・チューリヒャー・ツアイトゥング」
    http://www.nzz.ch ドイツ語・英語

  • ドイツ語圏 全国紙になれなかった日刊紙「ターゲスアンツァイガー」
    http://www.tages-anzeiger.ch ドイツ語

  • ドイツ語圏 ゴシップ記事なら「ブリック」
    http://www.blick.ch ドイツ語

  • フランス語圏 高級紙になりたがっている日刊紙「ル・タン」
    http://www.letemps.ch フランス語

  • フランス語圏 保守大衆日刊紙「ル・マタン」
    http://www.lematin.ch フランス語