700年の伝統ある民主主義に根ざすスイスの政治
担当 佐藤 夕美  チューリヒ発 

2002年10月の出来事

4日
エブナー氏ロンツァ社から引き上げ
BZ銀行の代表者のマルティン・エブナー氏は、所有するロンツァ・グループの株式を売却し会長職を辞任すると発表した。エブナー氏はロンツァ社に19.8%の資本参加をしていたが、クレディ・スイス株の売却に次ぐ株の売却により資金繰りの悪化が噂されている。

8日
ノバルティス社食品部門を売却
ノバルティス社は食料飲料水部門を2億7,250万ユーロ(4億スイスフラン相当)で、英国のアソシエイティド・ブリティッシュ・フーズ社(ABF)に売却すると発表した。ABFは年間売上が44億ポンド、従業員数は3,400人。売却価格は同部門の昨年の売上の1.1倍に相当する。この買収によりABFは、スイス人になじみの深い「オフォマルティン」や「カオティナ」などのブランドを引き継ぐことになる。ノバルティス社は食品市場から撤退し、医薬品部門に営業を集中させる方針。
クレディ・スイスの削減計画すすむ
クレディ・スイスの子会社であるクレディ・スイス・ファーストボストンが、再び人員削減策を発表。今回は1250人から1750人の削減となる。これにより5億ドルの経費削減が見込まれるという。昨年は従業員4500人を削減し18億ドルの削減を計ったという。
利子課税をめぐってEUと対立
EUに利子課税を導入するよう求められていたスイスがこれに応じないためEUは、EU-スイス二国間条約の凍結を示唆していた。しかし、ベルギー、オーストリア、ルクセンブルクの3国が制裁に反対したため、実行されないことになった。フィリガー財務相は、第2交渉における金融問題は本年末までに交渉を終える見込みと述べた。

9日
スイス人研究者ノーベル化学賞を受賞
スイス人でチューリヒ連邦工科大学教授で生物物理学者のクルト・ヴュートリッヒ氏が米国人のジョン・フェン氏と日本人の田中耕一氏と一緒にノーベル化学賞を受賞した。スイス人としては26人目の受賞者となる。

11日
コンピュータ普及率
連邦統計局によると、スイスでは3世帯に2世帯がコンピュータを所有している。また、国民の半数が家庭もしくは職場でインターネットへの接続が可能で、小学校も企業もその8割がインターネットに接続している。広くコンピュータが利用されているものの、利用者は男性、若者、高い教育を受けた人に偏っていることなどが分かった。

21日
スイス・ライフ上半期業績修正
生命保険の大手スイス・ライフが9月18日に発表した上半期の業績に間違いがあったと発表した。上半期の赤字額は前回発表の3億8,600万スイスフランから改められ5億7,800万スイスフランとなった。修正の理由は委託している会計事務所のコンピュータプログラムに問題があったため。予定されていた増資については、30日までに再検討される模様

22日
スイス郵便大幅縮小計画
スイス郵便は、2008年までに現在18カ所ある仕分けセンターをすべて閉鎖し最新技術を装備したセンターを3カ所創設し、仕分け作業を集中させ、パートを含む3500人の人員削減を計画していると発表した。これに伴う費用は10億スイスフランだが、年間の節約額は2億フランという。担当の交通エネルギー省のロイエンベルがー大臣は、節約には支持するが、社会問題を引き起こさないよう、人員削減は時間をかけて行うべきであるとのコメントを出した。

23日
企業年金最低利回り基準を引き下げる
連邦政府は、強制加入の企業年金の最低利回りを来年初頭から、これまでの4%から3.25%に引き下げることを決定した。利回りの検討は最低2年ごとに行い、来年から始めることになった。引き下げは株価下落により、有価証券投資業務が大赤字となり、業績が悪化している保険会社の意向があったため。

24日
ABB赤字計上
エンジニアリングのABB社が第3四半期に1億8,300万ドルの赤字を出した。1月から9月までの9ヶ月間でも8,200万ドルの赤字となった。特に米国で訴訟されている米国子会社コンバスチョン・エンジニアリング社のアスベスト損害賠償問題は大きな負担となっている。同社は業績悪化を理由にガス石油化学部門を売却すると発表。今後は電力技術とオートメ技術に集中するという。大幅な人員削減も予定している。

25日
マネーロンダリング疑惑の報告件数が増加
マネーロンダリング疑惑報告所(MROS)によると、98年から設立されたMROS、に報告されたロンダリング疑惑の件数は年々増加している。2000年は311件、2001年は417件で、本年は5割増の見込みという。増加したのは、テロに対して国民が敏感になっているためという。


最近のニュース 

  • 12月

リンク

  • スイス国営放送局が伝える「Swissinofo 
    http://www.swissinfo.ch 英語・ドイツ語・フランス語・日本語など

  • ドイツ語圏 お堅い日刊紙「ノイイエ・チューリヒャー・ツアイトゥング」
    http://www.nzz.ch ドイツ語・英語

  • ドイツ語圏 全国紙になれなかった日刊紙「ターゲスアンツァイガー」
    http://www.tages-anzeiger.ch ドイツ語

  • ドイツ語圏 ゴシップ記事なら「ブリック」
    http://www.blick.ch ドイツ語

  • フランス語圏 高級紙になりたがっている日刊紙「ル・タン」
    http://www.letemps.ch フランス語

  • フランス語圏 保守大衆日刊紙「ル・マタン」
    http://www.lematin.ch フランス語