700年の伝統ある民主主義に根ざしたスイスの政治
担当 佐藤 夕美
チューリヒ発 ![]()
2002年4月の出来事
3日
スイス郵便の業績が発表される
スイス郵便の2001年の業績が発表された。利益8は1億9400万スイスフランで、前年より7600万スイスフラン増加した。増益の理由として郵便料金の値上げと、不動産売買(8000万スイスフラン相当)が挙げられた。利益の上がらない郵便局は閉鎖する方針で、昨年1年間で190ヶ所の小さな郵便局が閉鎖された。業績は好調とはいえ、民間企業の進出からスイス郵便の経営は厳しい状況にありるという。
バーゼル宝飾展開幕
世界的にも有名なバーセルの宝飾展が開幕した。出展件数2200店と過去最大の規模。世界の景気は芳しくないが、宝飾市場に与える影響は今のところ見られないと開催者側。スイス時計協会によると、低価格商品は不景気の影響を受けたが、高級品は昨年より3.7%増加し好調という。世界の高級品市場は660億ドルの規模といわれ、このうち3割が宝飾で占められている。
7日
チューリヒ市民投票でスイス航空融資否決
チューリヒ市民投票が行われ、新スイス航空社への5000万スイスフランの融資は52%が反対したため否決された。すでにチューリヒ州では融資が承認されており、市が州の4割を負担することになっている。投票率は24%に留まった
10日
在ベルリン大使の帰国命令
在ベルリン大使は個人的なスキャンダルが発端で4月末で任命を解除され、帰国することになった。個人的なスキャンダルに外務省が介入することは珍しい。外務省はあくまでも個人的問題を問題としているのではなく、スキャンダル報道により大使は執務を進めて行く上で信頼に欠ける存在となってしまったと理由を挙げている。同大使は在ベルリン・スイス大使館オープニングでも斬新な嗜好のパーティーを開催したり、テレビのバラエティーショーに出演しりしたが、こうした型破りな外交に一部の反感があったようだ。
11日
EFTAとシンガポールが自由貿易協定を結ぶ
ジュネーブでEFTA(加盟国スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)‐シンガポール間の自由貿易協定の仮調印が行われた。アジアの国との自由貿易協定は始めてのため、注目された。正式の調印は6月に予定され、発効は来年の予定。貿易のほかに、金融、通信、技術、運輸などのサービス業、知的財産権、公共調達の参入などにおける協定となっている。ただ、農作物についてはEFTA各国加盟国との2国間条約によって定めることになっている。
16日
コープ、エパに資本参加
スーパーマーケットでは売上が第2位のコープ社が、百貨店のエパ社に40%の資本参加を行ったと発表した。コープは2009年までに段階的にエパへの資本参加率を上げ全面的な子会社にする権利を持つ。コープは資本参加により売上は14億スイスフランとなり、マノール社(売上28億スイスフラン)に次ぐスイス第2の流通企業となる。買収価格は未公開。
17日
EUとの包括条約発効は6月1日
EU委員会はこの日、EU‐スイス包括条約は6月1日から公式に発効となるとスイスに通達した。1999年には調印され、スイスでは2000年10月に国民投票で承認されたが、EU各国の批准が遅れていた。
スイス人は外食が好き
ガストロスイス(飲食業業界)の発表によると、スイスでは年間総額レストランでの飲食に使われたお金の総額は163億スイスフランで前年より2.9%増加した。ガストロスイスによると、一回の食事にかける金額は減っているが、より頻繁にレストランで食事をする傾向にあるという。市場の自由化に伴い、新しく開店した飲食店の数は増加し昨年は2418件だった。もっとも閉鎖されたレストランの数も1415件と多く、外食産業は激しく変動していることが分かった。
アバジャ資金ナイジェリアへ返済
98年に死亡したナイジェリアのアバジャ元大統領が非合法的に国外に預金していたいわゆるアバジャ資金のうち、スイスの17の銀行に6億6000万ドルが預金されていたことが判明し、99年には資金が凍結されていた。一部は凍結解除となったものの、残りの5億3500万ドルが国際決済銀行(BIS)を通し、ナイジェリアへ返済されることとなった。返済される資金の用途についてはIMFの意見も取り入れられることになっているが、ナイジェリアの負債に充てられるかは未定。
23日
EUとの交渉と銀行守秘義務
EUとの新しい2国間交渉が始まったが、銀行の守秘義務が大きなネックとなることは明らかで、撤廃反対派と支持派の論議が高まっている。国民党(SVP)は、守秘義務をあくまでも守り通すため、連邦憲法に定めることを求めるイニシアティブを発足する意向を公言した。
24日
コープ、GMOトウモロコシ商品を回収
スーパーマーケット大手のコープ社は、アルゼンチンから輸入したトウモロコシの加工食品に禁止されているGMO加工のトウモロコシが混入している、と環境保護団体グリーンピースの指摘を受けた。グリーンピースはコープから同商品を買い取り、アルゼンチンに送り返す運動を繰り広げているが、コープも同商品の販売を取り止めたと発表した。
通信省、通信市場の完全自由化に乗り出す
元国営のスイスコム社は現在も電話の基本配線(ラストマイル)については独占しているが、環境・運輸・エネルギー・通信省はスイスコムの最後の砦も即急に自由化する方向で検討をしている。後発の民間電話会社はこれを歓迎しているが、スイスコムは連邦裁判に訴える構えを示している。
26日
ドイツとの空の交通条約
ドイツとの空の交通条約で、チューリヒとドイツの国境付近の飛行機ルートが2国間で決められたが、チューリヒ州はこれを不服として、州議会は批准を見合わせた。チューリヒ州は、条約で定められたルートになるとこれまで以上に騒音の負担が増えることやスイス・インターナショナル航空社のドイツ国内での権利がルフトハンザと対等ではないことを理由とし挙げている。
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